虫さされの治療と予防

夏本番も目前ですね。肌の露出が増えるため、虫にさされやすい季節です。

「虫さされ」というと、蚊やノミに刺されて赤くかゆいブツブツができる、という印象があると思います。

実際は、さまざまな虫がヒトの血を吸ったり、刺したり、咬んだりして被害を及ぼします。

○虫の種類はさまざま○

吸血する虫(戸外)…蚊、アブ、ブヨ

吸血する虫(屋内)…イエダニ、トコジラミ、ネコノミ

刺す虫…ハチ(ミツバチ、スズメバチ、アシナガバチ)

触れることで皮膚炎を起こす虫…毛虫(ドクガ類の幼虫、イラガ類の幼虫)

咬む虫…クモ、ムカデ

番外編:刺す海洋生物…クラゲ、ヒトデ

この中で今回は吸血する虫、ハチ、毛虫のお話をします。

○吸血する虫に刺された場合の治療と予防○

軽症であれば、市販のかゆみ止めの外用で治まります。

赤みやかゆみが強いときはステロイド外用薬が必要です。

さらに症状が強い場合は、抗ヒスタミン薬やステロイドの内服が必要になるので、皮膚科を受診しましょう。

蚊、アブ、ブヨなどの屋外での被害予防には、肌の露出を避け、携帯用電池式蚊取りや防虫スプレーなどの忌避剤を使用しましょう。

室内の蚊やノミ、イエダニなどの駆除には燻煙殺虫剤が有効です。

さらに、イエダニの場合はネズミの駆除が必要です。

ネコノミ、トコジラミは、発生源や生息源をつきとめ、殺虫剤を撒きます。

○ハチに刺された場合の治療と予防○

ミツバチが一般の人を刺すことは稀でほとんどが養蜂家の方々です。

アシナガバチ、スズメバチの場合は、庭の手入れやハイキング、林業、農作業中に刺されることがありますので注意が必要です。

特に、過去に刺された経験があれば、血圧低下や呼吸困難、意識障害など強いアレルギー反応が起きることがあります。

ハチ刺症の予防としては、ハチ巣に注意し、むやみに巣に近づいたり刺激しないようにしましょう。

もしハチに刺されたら、安全な場所に移動し、安静にして局所を冷却します。

炎症症状が強い場合はステロイド外用薬を塗布します。

上記のような全身症状が出現した場合は速やかに医療機関に受診あるいは救急搬送してください。

循環、呼吸管理の上でアドレナリンを投与します。

※ハチ刺症に伴うショック症状に対する補助療法としてアドレナリン自己注射用キット(エピペン)があるので、必要に応じて登録医の処方を受けて携帯しておくのもよいでしょう

○毛虫の毒針毛にふれた場合の治療と予防○

ドクガの幼虫には数十万本以上の微細な毒針毛があり、イラガ類には毒棘があります。

これらの毒毛が皮膚に触れ、中の毒成分が皮膚に注入されると、アレルギー反応によって皮膚炎を生じます。

庭木の手入れの際に被害を受けることが多いので、特にツバキやサザンカに見られる幼虫に注意しましょう。

ドクガの毒針毛に触れた直後は、粘着テープで皮膚に付着した毒針毛を除去し、泡立てた石鹸とシャワーで洗いましょう。

治療はステロイド外用薬の塗布と症状が強い場合は抗ヒスタミン剤、ステロイドの内服を行います。