アトピー性皮膚炎とデュピクセント®

こんにちは。柏市明原ヤマ・クリニック、皮膚科医の甲斐やよいです。

今日はアトピー性皮膚炎の治療方法の一つ、デュピクセント®をご紹介したいと思います。

デュピクセント®は、2018年からアトピー性皮膚炎の患者さんに使用できるようになった皮下注射薬です。

この薬は、アトピー性皮膚炎の皮疹のかゆみの原因になっているIL-4とIL-13というタンパク質の作用をブロックします。

その効果は高く、16週間の投与でアトピー性皮膚炎の皮疹が75%改善したという人の割合は、約69%でした(*)

ただし、アトピー性皮膚炎の患者さんの誰もが使用できる薬剤ではありません。

対象となる患者さん、費用、通院回数などの条件があります。

<対象となる患者さん>

15歳以上で、既存の治療で効果が不十分と判断された、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんです。

<費用>
費用は、残念ながら、高価です。保険3割負担の方で、1ヶ月に4万円くらいの治療費がかかります。

ただし、ご年収に応じて、高額療養費の助成を受けることができます。

高額療養費制度の内容や手続きなど詳細は、加入されている保険の種類によって異なる場合がございますので、お手持ちの保険証に書かれている保険者にお尋ねください。

<治療スケジュール>

通院して注射を受けられる場合、治療を開始してから、2週間に1回、来院していただく必要があります。

2019年6月からは患者さんご自身での注射も認められるようになりました。ご希望される場合は、最初の2回はご来院いただき、注射の指導を受けていただきます。その後は、ご自身で注射することができますから、病院やクリニックに通う回数を減らすことができます。また、2020年11月からは注射の形も変わりました。前よりも、ご自身で注射しやすい形状になっていると思います。

くわしい内容などは、かかりつけの皮膚科医へご相談ください。

 

(*) Blauvelt A, de Bruin-Weller M, Gooderham M, et al. Long-term management of moderate-to-severe atopic dermatitis with dupilumab and concomitant topical corticosteroids (LIBERTY AD CHRONOS): a 1-year, randomised, double-blinded, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2017;389(10086):2287-2303. doi:10.1016/S0140-6736(17)31191-1