低温やけど 保温グッズによる皮膚障害について
こんにちは。柏市明原、ヤマ・クリニック 皮膚科医の甲斐やよいです。
冬至も過ぎましたが、寒い日が続き、コロナ禍の中、
今年の年末年始は、お家で温かくして、ゆっくり過ごされる方が多いでしょうか。
今日は湯たんぽや電気毛布、カイロなどの保温グッズによる低温やけどについてお話ししたいと思います。
○低温やけどとは○
低温やけどは、心地よいと感じる温度(40度~50度程度)のものに長時間皮膚が接することで起こります。
(50度なら3分間の圧迫、42度でも6時間接触すれば細胞が変化するという報告があります(国民生活センター調べ))
低温やけどは、じわじわと皮膚の深い部分まで達するので、痛みを感じにくいです。
特に、お子さん、ご高齢の方は皮膚が薄いので、気づかないうちに重症化していることもあります。
また糖尿病の持病がある方も注意が必要です。
○低温やけどの症状○
一番多い低温やけどのケースは、気づいたときはちょっと赤く、ひりひりするくらい、
1日ほっておいたら、水ぶくれができてグジュグジュする、というものです。
見た目以上に深い皮膚の潰瘍になっています。
皮膚の潰瘍が塞がらず、植皮術を行った例もあります。皮膚が壊死してしまい、細菌感染を併発してしまう例もあります。
皮膚に赤みや違和感があるような場合は、すみやかに皮膚科を受診しましょう。
○低温やけどの予防○
電気毛布や電気あんか等を使用する際は、寝床が暖まったら電源を切った方がよいでしょう。
どうしても使用し続ける場合でも設定温度を40度未満に下げ、一晩中使用することは避けましょう。
湯たんぽも布団や体が温まったら取り除くか、身体に触れるところには置かないことが重要です。
貼るタイプのカイロは、衣類の上から貼りましょう。くれぐれも貼ったまま就寝しないようにしてください。
さまざまな保温グッズがありますが、適切に活用して、寒い冬を乗り切りましょう。